2016第2講座:福岡県福岡市ぶどう畑、岡垣町ぶどうの樹(レポート3)

①農産物直売所ぶどう畑・水耕レタスハウス見学 / 新開先生による講義

福岡市内の住宅街の中に店舗と水耕ハウス3棟を構えるぶどう畑さんは、売場面積は小さいながらも、センスある陳列、温かな接客、手作り惣菜がパッと目を引く、まさに女性目線のお店でした。隣接するハウスからの採れたてリーフレタスとベビーリーフが、最大の武器とのことで非常に羨ましい限りです。
はじめに講義して頂いた新開先生のお話の中で、私にとって強烈に残った言葉は「しめしめ… 男性は気付いていないぞ!」という一言です。女性であるが故に、起業する際にはご苦労なさったとのことですが、男性に対しての敵対心や屈辱感を、するりと「確信」に変換する軽快さに、爽快感を感じました。(男性の皆様、申し訳ありません…)
個人的には、新開玉子先生のバイタリティにとても魅力を感じ、あの短い時間内でも、同じ女性として見習うべき点をいくつも見つけ、勝手に勇気づけられてしまいました。その一つが、女性が脚光を浴びる時代こそ、逆に男性を立てなくてはならないという点です。言葉にはありませんでしたが、新開先生の振舞いにそれが表れていました。
また、街のコミュニティで活きる直売所としても、私の勤務する店と非常に類似点が多く、現代の都会のお客様の心情をよく捉えたお考えに、大変感銘を受けました。

②江頭先生による講義

基本を分かりやすくマニュアル化してから、業務・従業員をしっかり管理していることが良く伝わりました。また、新開社長という唯一無二の存在を支える、「プレーイングマネージャー」としての在り方が垣間見えたひとときでした。
昨年伺った、和歌山の【産直市場よってって】さんも、業務体制・従業員教育が素晴らしいと感じましたが、それよりもコンパクトな単店での例として考えた場合、私の店にも置き換え易く参考になりました。クレーム対応の話は共感する部分が多く、大きく頷いてしまいましたし、女性パート従業員を上手に動かす、江頭マネージャーの細かい気遣いにも感心しました。

③ぶどうの樹見学 / 小役丸先生・奥本先生による講義

ぶどうの樹の成り立ち・おもてなしエピソードを中心に、お話を伺いました。まず、大きくて温かい小役丸先生自身が、まさにぶどうの樹の「理念」そのものなのだと、ズドン!と響きました。そして、「地域と一緒に潤う」というお話がとても身に染み、すぐにでも新潟に戻って、出品農家さんに心からお礼を言いたいような気持ちになりました。「菜の花を植えてあげる」と言ってくれた地元の農家さんのような存在が、私の前にも表れるよう精進したいと感じました。
続いて、奥本先生から、ぶどうの樹にまつわるエピソードに沿って、たくさんのヒントを頂きました。「スタッフの笑顔」は、お客様のためにあるものだと思っていましたが、実は上に立つ店長の私にとっても、守るべき大切なものであることに気付かされたのです。心の底からお客様をもてなすためには、まずはスタッフの心が穏やかで夢に溢れていなければならない、そのためには根本から「この会社が何を目指しているか」を熱意を持って教え、賛同してもらうこと、それが大切なのだと分かりました。

④早苗先生による講義

岡垣町の農業について、まずは説明がありました。実は、1日目の夜の懇親会で、ご一緒した【やっぱ~岡垣】のスタッフの方が、「地元では当たり前のビワが、あんなに売れるなんて信じられない」と言っておられたので、早苗先生のお話に非常に現実味があり、興味深く聞き入りました。地域に根差したぶどう畑さんとはまた違い、町外からニーズがあって、改めて地元の農家や若い人がビワに目を向けるという構図の成功例だと思います。

⑤道の駅「むなかた」・JA糸島産直市場「伊都菜彩」見学

道の駅むなかたは、突然訪問が決まって伺ったので、事前に下調べしていませんでしたが、単価の高い鮮魚・魚介類・水産加工品が豊富にあるようでした。伺った時間帯が午後という事もあり、残念ながら野菜や鮮魚は全て完売状態。レジのスタッフさんが「平日でも早く来ないと買えない」と仰っていました。また、遠方からの観光客が多いせいでしょうか、「どちらから来たの?」と福岡の言葉で気さくに話しかえられました。
最後に、予てより一度来てみたかったモンスター直売所「伊都菜彩」です。15時過ぎに着くことから、恐らく野菜・花はほとんどないであろうと予測していましたので、チェックしたいことを先に決めておき、臨みました。まずは店内を見学し、サービスカウンター内の発送荷物の数、駐車場の車の様子、買い物を終えて出てくるお客様の買物袋を観察しました。ぶどう畑・ぶどうの樹のホスピタリティの精神とは、対極にあるようなJA特有の直売所でした。「いらっしゃいませ」は皆無、完売による棚空きは当たり前、シンプルでフラットな陳列。それでも、年間売上40億円です。
ただ、絶対にここでしか聞けない独自の「入場制限」と「搬入ルール」という2点だけは質問したかったので、それが明らかになって非常に満足しています。規模は全く違いますが、入場制限については「苦情」が「名物」になったという店長さんの言葉と表情に、ハッとさせられました。やはり、直接伺うことができて良かったです。