2016第2講座:福岡県福岡市ぶどう畑、岡垣町ぶどうの樹(レポート5)

◇農産物直売店ぶどう畑

住宅街の中にある農産物直売店。建物のすぐ隣に水耕栽培のハウスが建っているのが特徴で、1年を通してレタス類、ベビーリーフの栽培が行われている。店に入るとすぐ左側にこのレタス類が陳列されており、この店の看板商品であることがすぐに分かった。また、商品ごとに手書きの小さなPOPが付けられ、調理法や保存方法など分かりやすく表示されていた。店内にはハロウィンの時期らしくかぼちゃやおばけの手作りのディスプレイがあちこちにあり、季節感を上手に表現されていて、見ているだけで楽しい気分になった。講義をして頂いた新開先生は御年70歳。とてもそうは見えない若々しくパワフルな方だった。「自分たちの農場で作物を作り出せないと先はない」というお言葉があったように、これから先、どの直売所でも必ず生産者の高齢化に伴い、農産物の確保に苦慮するときがやってくる。先を見据えて、実際に行動し、実現する。「媚びない農業」を実践される新開先生の行動力を間近で感じることができて良い経験となった。
また、「女性のパワーの活かし方」というテーマで江頭先生から実際の業務内で、女性スタッフとどのように付き合い、店舗を運営しているかお話頂いた。日曜祝日はお休み、営業時間は11時から18時という限られた営業日数と営業時間で、売場・厨房・農場が連携をとって営業されているとのことだった。2か月に1回、定期的にミーティングを開いたり、商品特性をまとめたファイルをみんなで1年かけて作ったり、週ごとにイベントカレンダーを発行したり、と、スタッフのレベルを上げながら店内を充実させていく手法をうまく使われていた。各部門の情報を江頭先生に集約させ間に入ることで、余計な衝突や行き違いのないようにコントロールされていたので、女性の多い職場ではそれが本当に大事なことだと感じた。

◇ぶどうの樹

2日目はぶどうの樹の施設内を見学後、小役丸先生、奥本先生からご講義頂いた。ぶどうの樹の設立から、企業理念、人を育てるために実践されていることなどとても分かりやすくご説明頂いた。すべては「気づく」ことから始まる、と何度も言われていたが、この「気配り」「目配り」は常日頃から山内店長から言われることで、改めて「気配り」「目配り」を心掛けていこうと思った。また、印象的だった言葉に「袖のないシャツは売らない」というものがあった。「サービス」というものは「目に見えないもの」だ。お客様が買ったシャツ(サービス)に袖があったか、なかったか、それはお客様にしか分からない。だから、きちんと袖のあるシャツ(良いサービス)を提供しよう、と。本当にその通りだと思う。「袖のあるシャツ」を毎日お客様に提供できるよう接客に臨みたいと思う。
また、やっぱぁ~岡垣の早苗先生からは、岡垣町の農業と福岡県の直売所の現状についてお話を頂いた。びわ・みかん・いちじくといった果樹の生産が盛んだという岡垣町。温暖な気候が果樹の生産に適し、特にびわは地元の核になる特産品で、このびわを買い求めに遠方から来られる方も多いという。また、その人気を聞きつけテレビの取材等で取り上げられるようになり、更なる知名度のアップ、またそれによって地元にも「岡垣町のびわ」というブランド意識が少しずつ根付き、よいスパイラルを生んでいるとのこと。平戸瀬戸市場の売上構成比は約1/4が水産品であり、干物や蒲鉾などの加工品も含めるとその割合は5割を超える。対して農産品は加工品を合わせても2割に満たない。いちごやアスパラ、じゃがいもなど長崎県全体で生産量の多い作物ももちろん生産されているが、「平戸の野菜」としてブランド力を持ち、売り上げの核となるまでには至っていないのが現状である。今後、農産品の核となる商品をいかに作り出していけるかが平戸の課題のひとつだと感じた。

◇伊都菜彩

昼食後、糸島の伊都菜彩へ移動し、店長の松隈さんにお話し頂いた。店舗の拡張リニューアル工事が済んだばかりということで、以前よりも通路が広く確保され、レジも9台から13台に増設。また、サービスカウンターも店内中央から入り口横に配置換えされており、お客様にとってとても利用しやすくなったと思う。野菜売り場の奥の売台には、完売になった農産物のPOPやレシピがたくさん集められていた。店長曰はく、「POPはもの言わぬ案内人」なので、そこに集めておけば「あったのになくなったんだな」と自然にお客様が判断でき、余計な手間が省けるとのこと。POPも使い方次第でもっとお客様に色んな案内ができると思ったので、今後に活かしていきたい。
2日間、全国の直売所の方々と交流し、様々なお話が聞けたことは、私たちにとって大きな財産になりました。参加させて頂き本当にありがとうございました。